株式会社コスモ地建

第一章 家づくりで失敗しないために

最近まで、我が国では、家作りに失敗した人がほとんどではないでしょうか。その上、失敗したことにさえ気づかない人がいる。二十五、六年たって寿命だから仕方がない・・・。家を建てた人は、よほどの欠陥がない限り、失敗したとは思いたくないのです。
ある調査で、家を購入した基準の第一位は、「営業マンが信頼できたから」だそうです。「私が信頼した人だから、大丈夫だろう」と。

「営業マン」

良い家作りの本当の知識を持っている住宅営業マンがいるでしょうか、いる筈がありません。なぜなら、営業マンとは、その会社の商品、家を売るのが仕事なのです。会社の商品に惚れ込み、会社の商品の良いところだけを勉強し、良い家だと信じ込み、そして、お客に信じ込ませて売るのです。そのためには、深夜まで訪問先で粘ったりで、ほとんどの時間を営業活動に費やしなければならないのです。近年の住宅建築は、材料、工法とも日進月歩、進化しており、いくら時間があっても、足らないぐらいなのです。
おおかたの人は、薄々分かってはいるものの、専門的なことは分からないから・・・、勉強しても難しいし、忙しくて時間もないから仕方がない・・・。昨今、中身のない、見せ掛けばかりの住宅が多いのは、そういう人が多いせいではないでしょうか。

「モデルハウス」

家を建てると決めた人のほとんどが、住宅展示場のモデルハウスを、予備知識も何もなく一度や二度はおとずれるものです。そして、その巧妙なしかけに引き込まれていくのです。
初めて家を建てる人は、外観のデザインやキッチンなどの設備に目がいって、肝心なところを見落とすことが多いようです。玄関に入るとすぐに「ワアー広い!」と思うはずです。そうです、広く作ってあるのです。違和感がないように、廊下、階段なども広く作っています。玄関に入ってそのままリビングに行き、そこで、「まあ、すてきな応接セット」「カーテンがかわいい」などと、ワクワクし始めたら赤信号です。本当にチェックしなければいけない個所を、見落としてしまうのです。モデルハウスは別名、「大人のディズニーランド」といわれています。それくらい、楽しく夢のあるつくりをしているのです。
モデルハウスの家具は、インテリアが素敵なのは当たり前です。プロのコーディネーターが有り余る予算をもらい買い揃えるのですから。少しでもセンスのいい家具を配置して、良く見せようとしているのです。しかし、そこには生活観も現実感もありません。想像してみて下さい。もし、モデルハウスに最高の家具やインテリアが置いていなかったら・・・
初めて家を建てる人はまんまと住宅メーカーの術中にはまってしまうのです。インテリアに感心するのは勝手ですが、家具を買いに行くわけではないのです。あなたの生活に本当に必要なものは何なのか、どこにお金をかけるべきなのか、しっかりと見極めてください

「住宅メーカー」

住宅メーカーが建てるモデルハウスは、坪数六十坪前後と大きく立派な家ばかりです。その多くに標準仕様以外のオプション工事が多く含まれています。住宅メーカーの決まり事では、照明器具などはオプションです。当然ついていなければ暮らせないものなのに・・・なぜ照明器具などがオプションなのか。一番の理由は、あなたに伝える坪単価を低く抑えるためです。坪数も、小さければ外観デザインも悪く、坪単価も高くなるからです。
住宅メーカーは「高い」という印象を持たせないようにしているのです。住宅メーカーの、モデルハウスの費用、経費は莫大なものです。高くなるのは当然なのです。

「本体価格」

最近、ある住宅メーカーから、坪単価「二十一万円」、と言う商品が売り出されました。もちろん、本体価格ですが、よくもまあここまで、うそ?が言えるものだと、ほとほと感心しました。
消費者の、一般的な坪単価は、建物の工事に関するすべての費用を意味します。つまり「引渡し価格」です。ところが、住宅メーカーは「建物本体価格」と言うごまかしで、オプション工事、つまり、照明器具や和室工事、設備器材(流し、風呂、洗面台)、ひどいメーカーでは雨樋工事にクロス工事まで別工事と言う、むちゃくちゃな手法でごまかそうとしています。本来、オプション工事とは、無くても良い物やグレードアップするものを言うはずです。ごまかされないでください
はじめから、建物、すべてを含んで坪四十万円と言うのと、はじめ、坪二十五万円で、最終的には同じ坪四十万円、同じなら問題ないと思われる方は、だまされます。違うのです。何が違うかと言えば、その会社の姿勢、ポリシー、誠意が違います。売るためならどんな手法でもかまわない、売れる商品ならどんな物でもかまわない、売る事しか考えていない、そんな住宅メーカーがよい家を作れるはずは有りません

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